でんの豆知識111「涼を得る工夫!!」
こんにちは
田建築工房スタッフのKです。
いよいよ本格的な夏の到来です。
今年も、もちろん猛暑との予想が出ております。
そして、猛暑となると、熱中症対策として、
冷房を使用する頻度が増えますよね。
しかしながら、この省エネ時代です。
社会全体で「節電」に取り組んでいるので、
より効果的な節電対策が求められます。
以前、家庭の中で消費する電力の約25%を占め
消費ランキング1位だったエアコンも、
ハード面の省エネ化や使い手の意識が進み、
最近は約7.4%まで減り4位となりました。
それでも、エアコンを効果的に節電することで、
家庭全体の節電には大きく貢献できます。
そこで、今回は
エアコンの節電対策について、
具体的な方法をお伝えします。
①設定温度を1℃変える
皆さんもよく耳にする対策ですが
「設定温度を1℃変える」と、
暖房時・冷房時ともに約10%程度の
省エネが期待できます。
冷房温度設定なら28℃、
暖房時は20℃が目安とされていますが、
無理は禁物です。
体調を考慮しつつ、取り組んで下さい。
- 温度設定のコツ
湿度によって体感温度は変わるものです。
人は、湿度が15%増えると
気温が1~2度上昇した感じになるともいわれます。
これは、湿度が高いと汗の蒸発が妨げられ、
身体に熱がこもりやすくなるからです。
冷房の目安が28℃に推奨されているからといって、
温度だけを見て判断すると危険です。
例えば、温度が28℃で湿度が60%くらいであれば、
不快さはあまり感じません。
しかし湿度が75%を超えだすと
かなり不快感が高くなります。
また不快なだけでなく、
熱中症の危険も高くなるといわれていますので、
温度だけでなく湿度とのバランスを
整えることが大切です 。
- 温度計・湿度計のすすめ
「熱中症注意」が分かる温湿度計があれば安心です。
温度が高いのか、湿度が高いのかを知ることで
適切な対処ができますし、
自分が快適だと感じる温度・湿度を知ることで、
無駄を減らせることにもつながります。
熱中症対策として温度と湿度のバランスが
ひと目で分かる「温湿度計」もありますので、
上手に活用することをおすすめします。
②運転時間を1時間減らす
当たり前のことですが、
運転している時間を減らせばその分節電になります。
1日1時間を目標にすれば単純計算で、
10時間使う人なら10%、
5時間使う人なら20%の節電になります。
少しずつでも時間短縮を心がけてみましょう!
- 運転時間削減のコツ
タイマー機能を上手に利用するのも節電のコツ
外出前30分に電源を切り、
帰宅後30分に電源を入れる習慣をつければ、
合計1時間の削減になります。
例えば冷房の場合、
エアコンを消したからといって
急激に温度は上がりません。
出かける30分前にOFFになるようタイマーを
利用すれば、消し忘れ防止にもなります。
また帰宅直後は、窓を開けて換気をして下さい。
昼間の熱で温まった部屋をそのまま冷房するより、
壁・床・天井を外気で冷ました方が、
消費電力は抑えられます。
換気をしている間に、
着替えをしてシャワーを浴びて汗を流していれば、
30分程度は稼げるでしょう。
ちなみに就寝時ですが、
暑くて目を覚まして、
再びエアコンを入れるくらいなら、
一晩つけておく方が節電になる場合があります。
設定温度は、28度くらいなら
つけたり消したりするよりは、
一晩中エアコンを入れっぱなしがお得です。
③運転モードの消費電力を知る
冷房・暖房・除湿の、
具体的な消費電力を知るというより、
お使いのエアコンで、
消費電力の多い順番を知ることが
適切な節電につながります。
冷房と暖房については、
取り扱い説明書やカタログに
定格消費電力が記載されています。
目安として確認してみて下さい。
除湿については数値の表示はありませんが、
一般的に除湿は「弱冷房」と一緒なので、
冷房時よりは少ないと考えて大丈夫です。
- 「自動」モードのすすめ
「自動」運転は、状況に応じて
最適な運転モードを選んでくれるので、
利用するのが節電への近道です!
また、暑いと感じたら、
温度を下げるのではなく「風量」を強くすると、
体感温度が下がるため涼しく感じる効果があります。
また「風向」も重要です。
冷たい空気は下にたまり、
温かい空気は上にたまるため、
冷房時は上向きに、暖房時は下向きに
風を吹き出すと部屋の温度が
均一になりやすいでしょう。
このような細かな設定も
「自動運転」にしておけば、
温度・湿度など状況から、
最適な運転モードと風量・風向で運転してくれます。
自分で判断できなくて悩むのなら
「自動」モードを利用するのがおすすめです。
その上でエアコンが効きすぎると感じた場合は、
温度設定を高めにするとよいでしょう。
④フィルターの手入れは2~4週間に1度が理想
フィルターが目詰まりしていると
消費電力に約6%の差がでるといわれています。
フィルター掃除は、室内の環境にもよりますが
「2週間~4週間に1度」が理想的です。
しかし、なかなか手が回らないのが現状でしょう。
最近のエアコンには「自動掃除機能」が
搭載されています。
上位機種では、フィルターだけでなく
熱交換機や送風ファンなど、
内部まで掃除をする機能がついています。
小まめな手入れが苦手な人は、
買い替えるのもひとつの方法ですね。
⑤室外機は風通しのよい日陰に
室外機の環境もエアコンの効率を左右します。
室外機は、室内の熱を外に出しています。
その排熱を妨げないためにも、
周囲に物を置かないことです。
また室外機の周辺温度が高くなると、
運転効率が悪くなり余計に電力を消費するので、
風通しを良くすることも大切です。
植物やよしずなどで日陰をつくる時も、
風の通りは必ず確保しつつ
日陰をつくることがポイントです。
室外機は、風通しの良い日陰が
ベストポジションと覚えておきましょう。
以上がエアコンでできる対策です。
最近のエアコンはかなり省エネ対策が進んでいます。
年間で消費する電力を表す
「期間消費電力量」の推移をみてみると、
2004年と比べ約11%、
1995年からはなんと約45%も削減されています。
今まで通りの使い方をしていても、
新しいエアコンに買い替えるだけで
かなりの節電になりますので、
10年・20年選手のエアコンをお使いなら、
買い替えを検討するのがおすすめです。
さて今回「賢く家を建てる」のテーマは
【涼】に関してです。
以前、日本建築の工夫により、
快適に過ごせることをお伝えしました。
今回は、海外の暑い国の事例をもとに
涼しさを得る工夫をお伝えします。
皆様の家づくりの参考にして頂ければと
おもいます。
それでは
さっそく『でんの豆知識』をご覧ください!!
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■ でんの豆知識「涼を得る工夫!!」
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地球温暖化による影響もあるのでしょうが、
日本の夏はますます過酷になって来ております。
日本で観測された最高気温は、
2013年8月12日の高知県の四万十市での
41度だそうです。
続いては、2007年8月16日の
埼玉県熊谷市と岐阜県多治見市で観測された
40.9度となっています。
夏ともなれば最高気温が35度を超える日も
珍しくないです。
日本は湿度も高いことから、
熱中症で搬送される患者数も年々増えています。
熱中症…というと屋外でかかるイメージがあります。
しかしこの5年間の統計は、東京23区内で
熱中症が原因となり死亡した人の9割が
屋内だったという報道もあります。
住まいにはそもそも環境の過酷さから、
人間を守る役割も備えています。
今では家の中でさえ、気を付けなければ
暑さによる危険から逃げることはできないようです。
実は世界には、
最高気温が40度を超すのも珍しくない
「暑い国」が多くあります。
今回は、世界にある「暑い国」の
住まいのいくつかを紹介しながら、
その工夫をお伝えします。
◆住まいの風通しの工夫
2016年5月、インド北西部の都市である
ラージャスターン州のファローディで、
過去最高の51度を記録したとニュースになりました。
インドのこの地方では、
毎年5月がもっとも暑くなるとのことです。
そして今年はとくに強力な熱波が
到来しているといいます。
さすがにここまで暑いのは珍しいそうですが、
それでも大変な暑さです。
インドの国土は広く、
北端は北緯37度6分ですので
日本の宮城県とほぼ同じ緯度ですが、
南端は北緯8度と赤道に近いのです。
今回の熱波は、季節風のモンスーンが北上せず、
雨不足になったのが原因のようで、
乾燥しやすい気候がこの暑さを加速させたようです。
この暑さから人を守る住まいとして、
インドの家屋は遮熱性能の高い
石(レンガ)造りが多いです。
また、開口部は開かれていることが多く、
風通しを確保するためか、
閉ざされていない家屋が多いようです。
風通しに工夫のある家屋はタイにもあります。
熱帯に位置するタイでは年中を通して暑く、
最高気温が30度を下回る日はめったにないです。
湿度も高く、一年中現在の日本の夏と
同じような気候なのです。
1292年ごろに成立したラーンナー王朝では、
高床式の住居が多く建てられています。
人々は水稲耕作で生活しており、
風通しの良いベランダで食事や作業をします。
高床式にすることで、床下は風が通り湿気を逃して、
涼しく過ごすことができるのです。
また、床下は物置や家畜小屋としても
利用されています。
そして日本でも、沖縄の日差しは強烈です。
しかし高い山がなく風通しが良いため、
気温はそれほど上がりません。
そこで、
真昼は屋内で昼寝などをしながらのんびり過ごし、
涼しい朝や夕方に活動をすることで、
暑さ対策をしているようです。
しかし、家の中が蒸し暑ければ、
のんびりもしていられません。
そこで、開口部を広くして縁側を作るなど、
風通しをよくする工夫がされています。
石垣島には柱だけで、
壁をほとんど取り払ったような家屋もあり、
屋根が日差しを避けると同時に、
外と同程度の風通しがあり、
涼しく過ごせるようです。
また縁側は南側に作られている家屋が多く、
これにより夏場の高い日差しは縁側で
食い止められるようになっています。
◆水辺の住まい
タイには高床式の住居もありますが、
水上マーケットも有名です。
自動車などによる陸運が発達せず、
水運が中心だった時代、
船で運んできたままに直接取引をしたのが
水上マーケットの始まりです。
バンコクの中心を流れるチャオプラヤー川は、
荷物を積んだ船の行きかう水路でもあり、
農業用水を供給する恵みの川でもあります。
水辺に建てられた家屋の多くは
風通しを確保しながら、川の気化熱を利用し、
涼しく暮らすという工夫からもきているのです。
さらに、水辺に住んでいれば、
暑さに我慢できなくなったとき、
すぐに水浴びできるという利点もあるのです。
また、タヒチやモルディブなどの南の島には、
海の上に水上コテージが建てられています。
景観を楽しむためもあるが、
海の気化熱で涼しく感じられる工夫のようです。
◆白い壁の住まい
白い壁の家が立ち並ぶ景色が特徴的なのは、
サントリーニ島を初めとしてエーゲ海に浮かぶ
ギリシャの島々や、
そしてスペイン南部のアンダルシアなどが
あげられます。
西洋漆喰が塗られていますが、
ただ景観を美しくするだけでなく、
暑さ対策の意味があります。
白は熱を反射して吸収しないため、
家の中では涼しく感じられるのです。
白い壁は定期的に塗り替えが必要のようですが、
近年は観光誘致のため、
白い壁に統一するよう法律で定められている
島や地域もあるようです。
スペイン南部のアンダルシアは
石灰岩の産地なので、白く塗った下は
レンガ壁になっています。
レンガは土でできており、
湿度を調節してくれるので、
多少気温が高くても、気化熱が発生しやすく、
涼しさを感じるのです。
漆喰ではないが、南イタリアにある、
「トゥルッリ」と呼ばれる住宅も、
真っ白な外観です。
外壁や内壁に石灰が塗られているのだが、
壁自体も石灰岩でできています。
石灰岩をレンガのように切り出して
積み重ねて作られているのです。
太陽光があまり入らないよう、
窓も小さく作られているが、
内壁に石灰を塗ることで、
部屋の中が明るく感じられる利点もあるのです。
◆日本の家屋でできること
さて、暑い国の住まいの工夫を紹介してきましたが、
日本の住まいでの工夫はなにがあるのでしょう。
日本の伝統的な家屋には、庇(ひさし)があります。
庇は真夏の高い太陽光を遮るには有効です。
ただ、庇によっては、
朝の光や西日など低い位置から差し込む太陽光は
防げないことがあります。
そこで、庇や軒に簾(すだれ)を吊るす工夫を
日本ではしてきました。
簾は、日差しを遮ってくれるだけでなく、
霧吹きで水をかければ、
風が吹くたび気化熱を発生してくれます。
簾だけではなく、
網を設置してヘチマやゴーヤなどを育てる
グリーンカーテンをつくるのも効果的です。
さらに日本人らしいのは、風鈴です。
風鈴を吊るせば、耳からも涼を感じられます。
今年の夏も厳しくなりそうです。
家の工夫と共に、水分や塩分を上手にとり、
健康に支障をきたさないように過ごしましょう。
それでは、また!!
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